
詩のように美しい絵本です。1957年にコールデコット賞(Caldecott Medal)を受賞しており、自然のやさしさ・木のある風景の心地よさ・日常の中の詩情を、簡潔な言葉と柔らかい絵で表現しています。
英語絵本「A Tree Is Nice」の紹介
あらすじ
この絵本は、物語というよりも散文詩のような構成です。語り手(子ども目線)は、木がなぜ素晴らしいのか、何が「いい」のかを一つずつ挙げていきます。
- 「木は風でゆれる。葉っぱが落ちる。」
- 「木の下でピクニックができる。ブランコもつけられる。」
- 「鳥がとまる。犬が木に寄りかかる。家のそばに木があると、それだけで素敵。」
このように、木の存在がもたらす楽しさ・安心・美しさ・生活の中での役割を、日常的な視点で語っていきます。
最後には、「木を植えよう」というシンプルなメッセージで締めくくられ、読む人の心にやさしく自然への愛情を芽生えさせてくれる構成です。
感動的な場面
- 木に対する「役に立つもの」ではなく、「いるだけでいい」と肯定する視点が、自然との共生や感謝の心を育ててくれる。
- 「葉っぱが落ちるのも、いい」「木の下で寝ころぶのも、いい」など、何気ない出来事を“いい”と感じる感受性が心に響きます。
子どもの想像力を刺激する描写
- 「木の下でお弁当を食べる」「登って見下ろす」「木のそばに住む犬が安心する」など、身近な自然がもたらす物語に子どもが共感しやすい。
- 木に登る・木陰で寝る・鳥や風と一緒に過ごすなど、五感を刺激する描写が豊富。
繰り返しのリズムが心地よいフレーズ
- “A tree is nice.” のフレーズが繰り返し登場し、やさしく静かなリズムを生み出します。
- 英語の構造はとてもシンプルで、英語初心者の子どもにとっても安心して聞ける/読める構成です。
まとめ
『A Tree Is Nice』は、シンプルな英語・やさしい絵・穏やかなリズムで構成された、英語初級者に最適なナチュラルイングリッシュ絵本です。内容は短いですが、自然との関わり、日常の美しさ、言葉の繊細さを伝える力があり、繰り返し読むことで語感と感性の両方を育ててくれます。

英語絵本「A Tree Is Nice」の英語学習法
英語表現・文法・単語
よくでる基本単語
単語 | 意味 | 学習ポイント |
---|---|---|
tree | 木 | 主役。繰り返し出てきて自然に覚えられる。 |
leaves | 葉っぱ(複数形) | 単数と複数の形の違いを学べる。 |
shade | 陰、日陰 | 木の恩恵を感じさせる語。 |
climb | 登る | 木にまつわる日常動作の語彙。 |
plant | 植える | 終盤のメッセージで登場。動詞として覚える |
英語表現・文法
基本的な現在形の肯定文が中心
- 例:“A tree is nice.” / “You can sit under a tree.”
you can ~ 構文(可能)
- 子どもにとって「○○できる」という形は、使いやすく学びやすい。
- 例:“You can play in the leaves.”
シンプルな接続詞で文章をつなぐ
- and, because, when など、簡単なつなぎ言葉で意味が広がる。
発音のコツ
- “tree” /triː/:語頭の「tr-」の音をはっきり発音。日本語にはない音のため、少し意識して練習すると◎。
- “leaves” /liːvz/:語尾の /vz/ に注意。voiced(有声音)なので “leaf” との違いを聞き分ける。
- “nice” /naɪs/:二重母音 /aɪ/ の伸びを意識して、やさしく言うと雰囲気が出る。
読み聞かせの方法
ゆっくり、やさしく読む
- 文のリズムが詩のようなので、ゆっくりと間を取りながら読みましょう。
- “A tree is nice.” の繰り返しは、毎回トーンを少し変えると印象が深まります。
絵とセットでイメージさせる
文に出てきた内容を絵で指しながら、「ここで犬が木のそばで寝てるね」など、視覚と言葉を結びつけると理解が深まります。
生活とつなげて語りかける
「公園の木にもこんな葉っぱあったね」など、実生活とリンクさせて会話を広げると、感受性と語彙が両方育ちます。
活用ポイント
語彙学習:
自然・季節・動物など、身近で覚えやすい語彙が繰り返し登場し、英語初心者でも楽しく語彙を定着できる。
文法基礎:
be動詞・助動詞(can)・現在形のシンプルな構文が多く、英語の基本文法をやさしく学べる。
音読・発音:
繰り返しのあるやさしい文章と穏やかなリズムが特徴で、音読練習やリスニング感覚の育成に最適。
親子の英語時間:
詩のような文章と温かなイラストが、親子での読み聞かせにぴったり。自然への関心や感性も一緒に育める。
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