『The Boy in the Moon(邦題:つきのぼうや)』は、トミー・ウンゲラー(Tomi Ungerer)による幻想的でユーモラスな絵本です。空に住む月の男の子が地上の世界に興味を持ち、冒険へと飛び出して行くという夢と想像力に満ちた物語です。
英語絵本「The Boy in the Moon」の紹介
あらすじ(Summary)
月に住むつきのぼうや(The Boy in the Moon)は、いつも空から地球を見下ろしていました。しかし、夜だけしか活動できず、地上のことをもっとよく知りたいと思うようになります。
ある晩、つきのぼうやは空から地上に降りるチャンスを得て、冒険に出かけます。最初は思いどおりにいかず困ったこともありますが、さまざまな生き物や人々と出会い、世界の広さや多様さに触れながら成長していきます。
最終的に、つきのぼうやは自分の本当の居場所に気づき、月へと戻っていく――夢と帰属、好奇心と発見の物語です。
感動的な場面
- つきのぼうやが初めて空を飛び出すシーンは、まさに“夢の扉”が開く瞬間。子どもにも「飛び立つ勇気」を教えてくれます。
- 地上での冒険に疲れ、ふと月を見上げる描写は、旅の喜びと帰りたくなる気持ちの両方が描かれ、しみじみとした感動があります。
- 最後に自分の場所(月)に戻る決断は、「世界を知ったからこそ、自分の居場所を愛せるようになった」ことを象徴しています。
想像力を刺激する描写
- 月の上で遊んでいた「つきのぼうや」が、流星のように飛び出して地上にやってくる描写は、夜空と冒険心の融合。
- 動物たちとの不思議な会話や、地上の“常識”とのズレに対する反応は、子どもの発想の自由さそのもの。
- トミー・ウンゲラー特有のシュールなユーモアと独特な色使いが、読者の感性をくすぐります。
繰り返しのリズム・印象的なフレーズ
- 「The boy in the moon wanted to know…(つきのぼうやは知りたかった)」という繰り返しの導入が、物語全体のリズムを作ります。
- 子どもが声に出して読んでも楽しい、短く簡潔な文と繰り返しのパターンが特徴。
- リズミカルな言い回しとシンプルな構文で、英語の音感やイントネーションの練習にも向いています。
まとめ
『The Boy in the Moon』は、「自分の知らない世界を見たい」「その中で何を得るか」という、子どもの根源的な願いを優しく描いた一冊です。絵本ながら、好奇心・探究心・自己発見というテーマを深く内包しており、子どもだけでなく大人の心にも響きます。

英語絵本「The Boy in the Moon」の英語学習法
英語表現・文法・単語
よく出てくる基本単語
単語 | 意味 | 学習ポイント |
---|---|---|
moon | 月 | 絵本のテーマ、音も綺麗で覚えやすい単語。 |
boy | 少年 | 主人公のつきのぼうや。基本単語。 |
fly / flew | 飛ぶ(現在形/過去形) | 冒険の象徴。過去形に注目。 |
night | 夜 | 時間の背景語彙として繰り返し登場。 |
world | 世界 | 地上を表す広がりのある言葉。 |
curious | 好奇心旺盛な | つきのぼうやの性格を表す語。 |
英語表現・文法の注目ポイント
- 過去形のシンプルな語り口
- 例:“He looked down from the moon.”
→「彼は月から地上を見下ろしました」
→ 一般動詞の過去形が多用されており、英文法の基礎学習に最適。
- 例:“He looked down from the moon.”
- 繰り返しと並列表現
- 例:“He saw forests, rivers, towns and people.”
→「彼は森や川、町、人々を見ました」
→ and を使った名詞の列挙が多く、語彙拡張に有効。
- 例:“He saw forests, rivers, towns and people.”
- 感情や願望の表現
- 例:“He wanted to know what it was like.”
→ want to ~ の使い方、仮定的な “what it was like” も学べる。
- 例:“He wanted to know what it was like.”
発音のコツ
- moon /muːn/
→ 長い「ウー」の音。強く、まっすぐな音で読むと印象的です。 - flew /fluː/
→ 過去形。flow(流れる)と混同しないように注意。 - wanted /ˈwɒn.tɪd/
→ /t/ の音をしっかり発音。速く読むと “wan-id” のように聞こえることも。 - forests /ˈfɒr.ɪsts/
→ 語尾の /sts/ はやや難しいので、口をしっかり動かして発音練習を。
読み聞かせの方法

1.リズムを大切に読む
短く区切られたセンテンスが多いため、ゆっくり・はっきり・リズムよく読むと、耳から自然に英語が入ります。
2.感情を込めてトーンを変える
- 月の上では優しく静かに。
- 地上への冒険では明るくワクワクしたトーンに。
- 物思いにふけるシーンは少しゆったりと、語りかけるように読むと臨場感が出ます。
3.読んだ後に英語で質問してみよう
- “Where did the boy go?”
- “What did he see?”
- “Did he like the Earth?”
英語で答えられなくても、「絵を指して答えるだけ」で十分な理解になります。
活用アドバイス(学びを深める)
- 物語の構造がシンプルなので、「英文を音読→暗唱→絵だけを見て話す」など、英語スピーキング練習にも使えます。
- 絵本を読み終えたあとに「あなたならどこへ冒険に行きたい?」など、英語で自由に話す機会を設けると、創造力と英語力が同時に育ちます。

コメント